
男性、女性関係なく仕事からプライベートまでジャケットを着る場面は必ずあると思います。
クラシック回帰がトレンドの今、ジャケットの中でも「ダブルブレスト」が注目を集めています。
ダブルのジャケットと聞くと、昔流行した肩パッドがしっかり入り、全体的にゆったりとしたボックス型のシルエットのジャケットを連想するのではないでしょうか?
そのため、「おじさん臭い」、「古い」といったネガティブな印象や、周りに着用している人が少ないことからダブルジャケットに抵抗感を持っている方も多いと思います。
また、外人と比較すると胴長、短足の日本人にはなかなか着こなし辛いアイテムというイメージもありますね。
しかし、現代の「ダブルジャケット」は、古臭い印象からは一変、今風に進化しており1枚で様になるアイテムでもあるのでネガティブな印象を持ちがちのダブルジャケットもうまく着こなすことができればおしゃれ上級者といえるのではないでしょうか?
そこで今回は、1枚でおしゃれ上級者の仲間入りを果たせる「ダブルジャケット」特集と称して、ダブルジャケットの着こなしポイントやオススメブランドをご紹介します。
ダブルブレストとは・・・
ダブルブレストとは、衣服の両合わせを二重にし、ボタンを縦二列に並べてつけた型式を指し、英語ではダブルブレステッド、日本のテーラーでは昔から「両前」と呼ばれております。
歴史
1674年にダブルブレストの原型と言える物が見られ、18世紀のはじめにはすでにダブルジャケットは存在していました。
当初は、軍人や乗馬用などのオーバーコートとして採用されていました。
これが、紳士服のジャケットやジレに採用されるようになったのは、1730年ごろと言われております。
背広型の上着、つまりラウンジジャケットに両前のスタイルが見られるようになったのは、19世紀も半ばを過ぎた1862年ころからとされています。
最初のダブルジャケットは、6個や8個のボタンを平行して付けるものになっており、留める側のボタンは、全て留めていました。
最初のダブルジャケットは、19世紀の末まで流行しておりました。
その後、4つボタンの2つ掛けや、6つボタンの2掛けのタイプの新しいダブルブレストが誕生し、徐々に変化し現代の形へと変化していきました。
シングルとの比較


上記でも少し説明したように右写真の「ダブルブレスト」は、衣服の両合わせを二重にし、ボタンを縦二列に並べてつけた型式を指します。
また、左写真の「シングル」は、釦の並びが1列の物を指します。
形の違いはもちろんですが、その違いによって相手に与える印象が大きく変わります。
右写真のシングルは、見た目の通りシンプルでスタイリッシュかつ、活動的な印象を与えます。
一方で、右写真のダブルブレストは、男性的で重厚感を与えます。
相手に与えたい印象によってシングル、ダブルと使い分けて着こなすのもいいですね。
着こなし
手足の長い人種ではない日本人でもかっこよくダブルジャケットを着こなすために、押さえて置くべき着こなしのポイントをご紹介していきます。
・サイズ感


ジャケット選びにおいて最も重要な点であるのはサイズ感です。
肩幅はしっかりと合わせ、体にぴったりのサイズを選ぶことは必須です。
最近のジャケットはアンコンと呼ばれるパッドがないモデルや、薄いモデルが多いので、大きいショルダーのジャケットを着ると、肩が落ちてしまいます。着用後注意して確認して下さい。
また、日本人の体型でもカッコよくダブルジャケットを着こなすには、着丈の短いジャケットがおすすめです。お尻が少し隠れるくらいがちょうどスマートに見える着丈です。
ボタンをした際、ダブルジャケットは、シングルジャケットよりも腰の位置が低く見えるので着丈の短いものでスタイルアップにも繋がります。
・カーディガン風に羽織る

ダブルジャケットは、トレンドを押さえておりコーディネートに取り入れたいがなかなか手を出しにくい方には、ニットジャケットがおすすめです。
ダブルジャケットでもニット素材にすればカーディガン感覚で羽織ることが出来ます。
また、ニットの柔らかな素材感でダブルジャケットの重厚感も出過ぎないので初心者の方にはおすすめです。
・セットアップで取り入れる

ジャケットには同生地のパンツを合わせたパンツでセットアップスタイルに。
セットアップだとジャケットとパンツの組み合わせも気にせず簡単にコーディネートに取り入れることができます。
また、ドレッシーな印象もプラスすることで周りとの差もグッと広がります。
・足元はスニーカーで崩す

ジャケットを取り入れたコーディネートは、綺麗めスタイルの王道ですね。
なので、足元をカジュアルアイテムであるスニーカーで崩し、こなれ感を演出できます。
そうすることでジャケット特有の「カチッと」感を抑えることができタウンワークしやすいコーディネートになっておりますよ。

ポイント
- ジャストなサイズ感
- ジャケットの着丈は短め
- カーデ風に羽織る
- セットアップで
- 足元はスニーカーで崩す
おすすめイタリアブランド
クラシック回帰がトレンドの今、ブリティッシュな雰囲気でモダンなイギリスブランドも上品でカッコいいのですが、あくまでかっちりしたスーツなどのビジネスシーンでの着こなしでは無く、普段気軽にダブルジャケットを楽しんで頂きたいでの今回は、遊び心が効いた、イタリアブランドからおすすめをご紹介します。
・LARDINI(ラルディーニ)

1878年イタリアで創業し卓越した制作技術と発想豊かなデザインにて新しい物を作り続けラルディーニという世界観をテーラードに宿し、2007年にイタリア製保護協会に属した名門ブランドです。
2010年にルイジ・ラルディーニがクリエイティブ・ディレクターとして指揮を執り変貌を遂げました。

ジャケットのラペルに付いた花形のブートニエールが特徴で日本でも屈指の人気を誇っています。
家族経営からスタートしたラルディーニですが、現在では毎日400人態勢で手作業の生産を行っており全行程をイタリアメイドで制作しております。
花形のブートニエールはラルディーニを象徴するシンボルで、男性的な享楽主義とモダンなロマン主義を表現しているディティールとなっております。
イタリアンな雰囲気の王道ジャケットをお探しの方は必見ですよ。
・CIRCOLO 1901(チルコロ)

2009年に南イタリア、バーリに本拠地を置くニット・スウェットのブランドです。
「イージークラシック」とコンセプトを掲げ、リラックスできるスウェット素材を使ったジャケットが最大の魅了です。
ジャケットだけでなく、パンツ等全てのアイテムをスウェット素材で仕立てており業界全体に衝撃を与えたブランドの1つでもあります。
テーラードメイドのカッティングをベースに作られるジャケットは、スウェット素材からは扱いにくいが高い品質を実現しております。
その点を見てもチルコロのスウェット素材への高い技術、拘りも見えます。
着心地を楽にジャケットを楽しみたい方は必見のブランドですよ。
・L.B.M.1911(エルビーエム)

1911年から続くイタリアで最も古いファクトリーのひとつであるLubiam社が手がけるブランドラインです。
Lubiam社は創業以来、自社工場にて生産を行い、伝統的かつ時代の最先端のスタイル・デザイン、最高の技術と設備を武器にベストな製品を世の中に送り出してきました。
また、Lubiam社が2006年に「Luigi Bianchi Mantova」をスタートしました。
HYDROGENなど有名ブランドとのコラボも実現させた、「Luigi Bianchi Mantova」のスポーツラインとして「L.B.M.1911」が発表されました。
スポーツラインだけあってL.B.M.1911は、カジュアルテイストのジャケットを得意としています。

また、「目玉」と呼ばれる白の円形のラペルピンも特徴の1つでブランドアイコンになるだけで無く、絶妙な抜け感、こなれ感の演出にもなります。
サイズ感も日本人にあうサイズスペックをしているので休日専用のカジュアルダウンしたジャケットを手に入れるならL.B.M.1911が、おすすめですよ。
最後に
今回は、ダブルジャケットにスポットを当て、着こなし術や、ジャケットのおすすめブランドをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
抵抗感がある人もない人も1枚で様になるので要チェックアイテムですよ。
トレンド真っただ中のダブルジャケットで大人カジュアルを是非楽しんでみてはいかがでしょうか?
でらマガ編集部 大畑