
出典:GATAG
著作者: Jonathan Kos-Read
ライセンス:CC BY-ND 3.0
気温が下がり寒くなる季節に活躍するアウターといえば、ダウンジャケットやコートだと思います。2大アウターといえばこの2種類ではないでしょうか?
ダウンジャケットはカジュアルな印象がありますが、コートに関しては、カジュアルでもきれい目でも着る事が出来ますので万能性が高いですよね。近年でもコートが流通してきている現代、せっかくなら一年に一回しか着れないコートはオシャレに着こなしたいですよね。
アウターは種類が多くて困りますが、コートに関しては特に種類が多くあり、印象も大きく変わってきます。
しかし、実際どんなコートを選べばいいのか難しいですよね。どうしてもビジネス印象が強く私服には選びにくいことってありませんか?またきちっとしすぎていて抵抗があると思っている方も多くいると思います。
そんなことはありませんよ!コートならではのいいところが実はたくさんあります。
今回は冬の定番アイテムとなるコートの種類、特徴などご紹介させていただきます。
今までコートに抵抗があった方もコートを知れば好きになりますよ。
女子受け抜群アイテムコート、寒くなる冬のアウター選びの参考にしてみてはいかがでしょうか?
●定番の4大コート
一言で「コート」といってもさまざまな種類のコートがありますよね。
ここでは、定番の4つのコートの特徴・歴史をご紹介いたします。
①トレンチコート

トレンチコートの起源は第一次大戦のイギリス軍から生まれたと言われております。
寒冷な欧州での戦いに対応する防水型の軍用コートが求められたことにより開発されたといわれております。しかしトレンチコートの起源には諸説あり、原型はそれ以前から考案されていたと言う説もあります。
トレンチとは「塹壕」という意味であり、兵士が銃撃から身を守る戦場で高い機能を発揮したことからきているものです。
トレンチコートの特徴といえば軍用の名残が残るディテールです。
特に一番印象的な部分はベルトストラップではないでしょうか。もともとこの腰ベルトは手榴弾などを装着できるようDカンがつけれれていたと言われています。
カジュアルに使われるようになってきてからはオシャレ思考が強まり、Dカンはなくなりつつあります。
「ディテール」

・ショルダーストラップ・・・肩部分についているストラップのことで、軍服の名残から戦友が倒れたときにつかんで引っ張ったといわれている部分。

・カフスストラップ・・・腕部分についているベルトストラップのこと。
軍服ということもあり、締めることで防風、防水の効果がある部分。
・チン・ストラップ・・・襟元のあて布を指します。閉めることにより顎から風が入ってこなくなる部分です。
トレンチコートの特徴は多才なディテールです。
他にも様々なディテールが特徴としてつけられているトレンチコート、歴史が今でも受け継がれているコートですよね。
②チェスターコート

簡単に言うと丈の長いコートのことを言いますが、丈が長いコートは続々と増えてきているので一概には言えません。
チェスターコートの正式名称は「チェスターフィールドコート」と呼ばれています。
19世紀にイギリスのチェスターフィールド伯爵が一番にきていたということがネーミングの由来といわれています。どの時代でもはじめてという言葉は名前の由来になりやすいということがわかりますよね。
そんなチェスターコートの特徴といえばテーラードジャケットのように着られる点です。
襟の形がジャケットのような形状になっており、起源は襟はノッジドラベル、両ポケットはフラップポケットになっており、胸部分の箱ポケットが起源となっているようです。
また、コートの中で唯一フォーマルに使えることが出来るコートです。
トレンチコートやステンカラーコートはどちらかというとビジネスまでであり、ダッフルコートはカジュアルに使われるまで世界的に見るとフォーマルなシーンで着用できるのはチェスターコートと言われていますよ。
③ステンカラーコート

レインコートの一種といわれているステンカラーコートは、トレンチコートから派生したデザインといわれております。
実はステンカラーコートは和製英語でスタンドフォールカラーが訛ってステンカラーコートになったという説があります。ちなみに正式名称はバルマカーンコートとであり、スコットランドの地名が名前の由来ともなっているのです。
※コートなどの襟にもバルカラーとも言われる襟型がありますがこれはステンカラー(バルマカーンコート)を短縮して付けられたとも言われています。
ステンカラーの特徴は,なんと言っても襟の部分ではないでしょうか。
前方が低く、直線的に折り返された襟型がステンカラーコートの特徴です。
この襟型が顔を小さく見せてくれる効果があります。マフラーやストールでボリュームを出して顔を小さく見せる方もいますが、ステンカラーなら小物アイテムがなくても子顔に!
またステンカラーコートはトレンチコートが派生したコートですので、生地感次第では長いシーズン着こなせるという点も特徴ではないでしょうか。
④ダッフルコート

一般的にダッフルコートはカジュアル感が強いコートです。コートと聞いて思うのはどうしてもビジネスと思ってしまいがちですが、ダッフルコートなどのカジュアルなコートは逆にビジネスで着ている人はほとんど見たことはありません。
どちらかといえば休日の冬のアウターといったところでしょうか。
そんな特徴的なコートは元々、北欧の漁師たちが織物を使って暖かく、且つ簡単に着脱できる仕事着として作ったことが始りといわれています。
名前の由来ともなったダッフルは、ベルギーのアントワープに近い町の名で、この町で作られた粗製の毛織物がダッフルと言われたました。
ダッフルコートを見てみると荒めの起毛感がある物も多いですよね。
そんなダッフルコートの特徴は、なんと言ってもデザイン性ではないでしょうか。
他のコートと比べて、変わった装飾が付いているのが特徴です。
前面の留め具は「トグル」と呼ばれ、木製、プラスチック、動物の角など様々ありますが、ボタンの代わりとして付着しております。
手袋をつけた状態でも、取り外ししやすいようになっているため、真冬でも十分万能性があるコートといわれています。
また、オーバーコートなどはカラーが重たいカラーが多いですが、カジュアルな印象が強いダッフルコートはカラーバリエーションが豊富であるのも魅力的な特徴ですよね。
●コートの正しい着方とは
コートといえば、ダウンジャケットと違いどちらかといえば落ち着いた大人の印象が強く出る秋冬の定番アイテムといった感じがありますよね。
ビジネスシーンに使われるコートも多く存在しますが、着方がダサいとせっかくの紳士さ漂う印象もなくなってしまいます。きれいな印象のあるコートはかっこよく着こなして何ぼのアイテムではないでしょうか。
コートの正しい着方をご紹介させて頂きます。
・トレンチコート
軍服から始まったといわれるトレンチコート。特徴的なデザインが光るコートですが一番印象を強くしてしまうのはやっぱりベルト部分ではないでしょうか?
トレンチコートの一番の特徴といわれる腰周りのベルトは印象を大きく左右する重要な役割を担っているのです。

正しい着方としては、ベルトをしっかり締めてスマートさを演出することが大切ですよ!
ベルトを締めることによってトレンチならではのスマートさが引き立ち、タイトな印象を引き出してくれます。また、ベルトを締めることによりトレンチコートの弱点でもある保温効果を高めてくれますのでトレンチの魅了は最大限活かすのが鉄則です。
やってはいけない着方は、ベルトを垂らしたり、ベルトを外して着用することです。
ベルトを垂らすことによってスマートさはなくなり、締りがなくなるためだらしない印象を与えてしまいます。確かにコートを着る上でさっと脱いだり、さっと着ることが出来ないところがトレンチコートのデメリットですが、オシャレとはめんどくさい事を繰り返すのが真のお洒落さんです。
締め付けが気になる場合は、バックフロント結びがオススメです。後ろで留める閉め方になりますので窮屈さもそこまでなく、後ろから見る姿もきっちり見えます。
ベルトが気になる方はポケットインして隠して着るのもOKですよ。
・チェスターコート(チェスターフィールドコート)
最もフォーマルなコートといわれるチェスターコートは気品溢れる一着ですので、大人の上品さが引き立つアイテムですのでサイズ感という点は大事になってきます。

正しい着方は、ジャストサイズで合わせるのが鉄則です。コート全般においてジャストサイズであわせるということはコートを着る上で当然ともいえるべきところです。
特にテーラードジャケットのように着れるコートとと言われているチェスターコートはサイズ感を間違えてしまうとダサく見えてしまいます。
肩はしっかりあったサイズ感で合わせ、袖はシャツやジャケットが見えないぐらいの丈がオススメです。

親指の付け根であわせるのがオススメです。ジャケットもこのように合わせますが今では少し短めな傾向がありますので、コートは親指の付け根で合わせてみてください。
その際に腕は下ろした状態で見てください!
ダメな着方は、オーバーサイズでだぼっとした着こなしをすることで、コートの良さでもあるキレイなシルエットを消してしまい、だらしなさが目立ってしまいます。
ジャケットの上に着ることを意識することで、大きいサイズ感を選びがちになってしまいますがチェスターコートにおいてはNGなのです。
上品な大人の印象が引き立つチェスターコートはスタイルに自身がなくても体系をカバーしてくれるので、冬のアウターとして一着は持っておきたい万能アイテムです。
体系をカバーしたいときは、オーバーサイズではなく縦長のシルエットを選ぶことで太ったシルエットを全体的に隠してくれますよ。
コートはどんな体系でも着れるのが良いですよね!
・ステンカラーコート
最もフォーマルなコートといわれるチェスターコートは気品溢れる一着ですので、大人の上品さが引き立つアイテムですのでサイズ感という点は大事になってきます。

トレンチコートから派生したといわれるステンカラーコートですが今ではすっかり定番中の定番といわれるコートですよね。ステンカラーの良い点と言えばオン・オフ着れるというところです。ステンカラーにも短丈から長丈まで色々ありますが、ビジネスシーンではジャケットの丈が隠れる長さを選らんで下さい。これはオンシーンだけでなくオフシーズンも同じことが言えます。
ステンカラーコートでよく見られるのはジャケット丈が少し見えてしまうパターンの人もよくいます。ジャケットの裾が見えてしまうのは野暮ったさもあり、不恰好ですのでなるべくビジネスやビジカジで着用するときは丈の長さには気をつけるべき点です。
コート>ジャケット>シャツ と言った感じです!
●意外と知らないコートの違い
チェスターコートとステンカラーコートの違いとは?
一見、パッと見同じに見えるコートといえばチェスターコートとステンカラーコートではないでしょうか。よくどう違うの。あまり違いがわからないなど声を聞きます。
ですがこの2つのコートは全く別物なのです。
似ている点では、コートの丈が長い部分、ボタンがあるというところでどちらもカジュアルにもビジネスにもオン・オフ兼用で使えるという点です。
一般的によく言われているのは、チェスターコートは「ロング丈のテーラードジャケット」と呼ばれ、ステンカラーコートは「ロング丈の襟付きシャツ」といわれていますが、簡単に言ったらそういう事です。
違う言い方をすればボタンで首元まで閉められるという点の違いもあります。
2大コートの大きな違いといえば、「襟」で判断するのがよいです。

ステンカラーコート

チェスターコート
少し前まではボタンなどで判断していることもありましたが、本当の違いは襟です。
ビジネスで使われることが多かったコートがカジュアルで使われるようになったことで
デザイン性もオシャレなものが加わりなかなか見分けが付かなくなっています。
チェスターコートは特徴のところでも説明しましたが、テーラードジャケットのようにノッチドラベルになっており、ジャケットの着丈が長くなったものと思ってもらうのが良いと思います。実はチェスターコートはオシャレ感、上品でドレッシーな印象が強い一着ですが、上手く着こなさないと着せられている印象が出てしまいます。
その反面、襟の形から子顔効果を与えてくれるステンカラーコートは合わせやすさがあります。合わせやすいというところがメリットとなります。初心者にうってつけのコートといえます。
デメリットはサラリーマン感が強く出てしまうところです。
実際多くのサラリーマンがコートとしてビジネスに一番よく使っている感じはありますよね。
着こなし次第ではサラリーマン感が強く出てしまいますので、デニムパンツを穿いたりしてカジュアル感を出すことで緩和されますよ。
最後に
いかがでしたか?
今回はよく使われるコートに関してご紹介させて頂きましたが、コートそれぞれに対して様々な特徴があり、メリットもデメリットもあります。
自分がどのコートが一番使いやすく、良い印象、オシャレに着こなせるかという点もポイントとなってきます。ぜひ今年はダウンと並行してコートも取り入れてみてはいかがでしょうか?
岩島