ヨーロッパスタイルのシャツには胸ポケットがない!?シャツの歴史を知ってシャツを選ぼう

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何気なく着ているシャツですが、実に歴史のあるアイテムというのをご存知でしょうか?私たちは、そんなことお構いなしにデイリーユースで着用しているわけですが、よくデザインを見てみると不思議に感じることもあります。その一つに、胸ポケットがあります。お持ちのシャツを見てみると、胸ポケットがあるものと無いものが混在しているのではないでしょうか?

トップスを着込まず、シャツがトップスの場合は非常に重宝するのが胸ポケットですが、無くても良いや!と感じている人もいらっしゃるかもしれません。ただ、デザイン性を見てもポケットが存在したほうがしっくり来るシャツもありますし、逆にポケットがない方がシンプルで着やすいシャツもあります。では、この胸ポケットは一体何のために付けられたものなのでしょうか?

今回は、シャツの歴史を振り返りつつ胸ポケットが何故あるのかについて解説します。これを知っておけば、ちょっとした自慢になること間違いありません!

シャツにも深い歴史あり!シャツの歴史を振り返る

シャツが誕生したのは古代ローマ!

シャツが誕生したのは古代ローマ!

出典:Romae Vitam

まずは、シャツがいつこの世に誕生したのかについて解説します。シャツの起源となるものは、古代ローマで着用されていたチュニックがルーツになっていると言われています。チュニックと言えば、シャツというよりは今で言うガウンに近い形状ですよね。また、二枚の布を折り重ねて、内側に重ねたスタイルが主流でしたが、このスタイルのことをスブクラと呼んでいました。

スブクラには、実は階級によってスタイルに若干変化が付けられていました。貴族は丈長のものを、一般階級は膝丈で膝に布を巻いてコーディネートしていました。徐々にスタイルにも変化が見られて、簡易的な形の袖が付くようになりましたが、まだまだデザイン的には布を巻いているレベルのものでしかありませんでした。

ただ、この「袖が付いた」というのは、着実に今のシャツに近づいていますし、革新的な進歩を遂げたのは言うまでもありませんね!


中世ヨーロッパに入り徐々にシャツっぽく!

中世ヨーロッパ時代に突入すると、男性の外衣に変化が見られ、丈が短いものが主流となります。袖口も詰めていく中で、デザイン的にアンバランス感が感じられるため、袖口を絞ったデザインに変更されていきます。15〜16世紀に入ると、折り返した衿のデザインが目立ちます。この衿のものをラバと呼び、大ブームを巻き起こしたのです。

ラバは今のシャツの襟よりも非常に大きく、前掛けに近いようなサイズ感でした。このブームは、実はネクタイのルーツとなるクラバットが誕生するまで継続していくことになります。そして、16~17世紀まで進むと、ラフという車輪型のひだ襟のついたものが登場します。ラフは、瞬く間に貴族階級にまで広がりました!昔の貴族の画像を見ると、首元がゴージャスに着飾っているのが見て取れますが、それがラフなのです。

但し、ラフは食事時には向かないデザインであったため、顎下の部分が少し余裕のある扇形のものに変化していきます。

19世紀にほぼ今のシャツの形状に!

19世紀に入ると、ほぼ今のシャツに近い形状のものが登場します!ラフのようなド派手でデザイン重視のものから、一気にシャープでスリムな襟のデザインに変化していきます。また、それまで主流であった立ち襟から折襟に変化していきます。これにより、今のスタンダードであるダブルカラーにつながっていきます。

ただ、その中でも1850年にはグラッドストンカラーと呼ばれる立ち襟がブームとなりましたし、それに続いてより襟のサイズが大きく顔が隠れる程のサイズ感であるグラッドストンカラーが登場します。そこから徐々に襟の高さが低くなっていき、世紀末になって3インチまでサイズダウンされていきます。この頃に、様々なカラーの形状が生まれ、その代表格がシェイクスピアカラーとなります。

また、ダックスカラーと呼ばれる、今のシャツの主流であるウィングカラーの原型が生まれることになります。

シャツは下着という位置づけ!

シャツは下着という位置づけ!

出典:The Idle Man

シャツが誕生したヨーロッパでは、昔から「シャツ=下着」という位置づけで着用されてきました。16~17世紀に服の切れ目で下着を見せることがブームになっていました。今の見せパンとは少し違いますが、見せても良いデザインのものが着用されていたのです。その後、1930年代にブリーフ、トランクスが誕生しますが、それまではシャツで股間を覆っていたのです。

今のシャツでも見られますが、シャツの最下段に余ったボタンが付いていますよね。これは、後の裾のボタン穴に填めるためのものとして使用していたものが、今でも名残として残っているのです!これはあまり知られていない事実ですよね。ヨーロッパでは、今でもシャツを下着として着用していたという意識が強いのです。

よって、シャツを全面に押し出すことは基本せず、ジャケットのインナーとして着用するのが一般的です。シャツ1枚でいると、日本人的な感覚で言えば下着姿で出歩いているという意識なのです。


アメリカではシャツにポケットを付けるのが当たり前!

アメリカではシャツにポケットを付けるのが当たり前!

出典:Solosso

20世紀に突入すると、もはや見慣れたシャツが多く見られます。ただ、胸ポケットについては地域によって独自に進化したものであり、実は全世界的に共通したデザインではありません!では、どこで胸ポケットができたかというと、実はアメリカなのです。1896年に、現存するブランドであるブルックス・ブラザーズが開発したポロカラーシャツがルーツになっています。ボタンダウン・カラーの誕生と共に、胸ポケットがついたデザインのものが誕生したのです。

ヨーロッパでは下着という位置付けのシャツですが、アメリカでは全くそのような意識はなく、あくまでも外着の一つという位置付けなのです。よって、シャツにポケットを付ければちょっとした小物を収納できるなど、合理性を求めた結果が今の胸ポケット付きのシャツなのです。ヨーロッパ人からすれば、下着にポケットが付くなんてまず考えもしなかったですし、あり得ない事実として捉えられています。

同様な考え方で、半袖ワイシャツもアメリカで誕生したものであり、ヨーロッパでは決してメジャーなアイテムではありません。

最後に

いかがでしたでしょうか?何気なく選んでいたシャツですが、胸ポケットの有り無しで世界各国でこれだけスタンスの違いがあるとは驚きですよね。最近では、徐々にポケット無しのシャツの方が主流となりつつあります。別に、ポケットがあるのが悪いわけではありません!今回紹介した内容を意識して、自分好みのシャツを選ぶと良いでしょう。

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