【前編】革靴の正しい履き方、知っているようで知らないサイズの選び方、今更聞けない靴紐の結び方に、デザインの解説など。

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革靴の歴史

15世紀ごろ、革靴は、ラストと呼ばれる木型を使った手法が誕生したことで、効率的に量産できるようになったことで、世に広まっていきました。
そして、時は過ぎ、19世紀に入った時に、ミシンプレス機の開発が進んだことで、革靴の生産が爆発的に伸び、数多くのブランドがここで誕生しました。
有名なブランドとしては、トリッカーズ(1829年)、ジョンストン&マーフィー(1850年)、ジョンロブ(1866年)、クロケット&ジョーンズ(1879年)などである。
そして、この革靴の最大の変革期と呼ばれる時代に、数多くの製法が確立したのである。
代表的な製法を長所と短所で簡単にご紹介。

グッドイヤー・ウェルト製法

堅牢な作りあるため、重く硬い仕上がり。工程も複雑で販売価格は高め。
ビジネスシューズ、ワークブーツに用いられることが多い。

長所 水が浸入しにくい。
コルクが緩衝材となり、長時間の歩行が楽。
コルクの沈みにより、履いている人の足型に馴染んでいく。
堅牢。
短所 コストが高く、重い。

マッケイ製法

甲革とソールを直接縫いつけることで、柔らかく、軽量で安価に仕上げることができる。
ビジネスシューズとして用いられる。

長所 コストが安く、軽量。
薄い革で柔らかく仕上げることができ、靴底の返りが良い。
通気性はよい。
短所 クッション性に乏しく、長時間の歩行は疲れやすい。
水が浸入しやすく、柔らかい分堅牢性は乏しい。

セメント製法

縫い付けはせず強力な糊で接着する技術。革靴だけではなく、靴全般に使用。

長所 コストが非常に安い。
水が浸入しにくい。
短所 蒸れやすい。
修理が困難なものが多いので、使い捨てになりやすい。

機能面に劣るスニーカーが現れてもなお、古くから、男性に愛されている革靴は駆逐されることなく、今なお、ファッション文化、ビジネスシーンに欠かせないアイテムとなっている。
ただの作業靴として履いている日本人が多いことは残念だが、ヨーロッパの人々は、ファッションとして革靴を楽しむ人が多い。
少しでも革靴のことを知っていただこうと、今回は様々なHOW TOをご用意。
気になる項目を下記目次からチェックして下さい。

革靴の素材にはどんなものがあるか?

一般的に革靴に使われている素材をケアも合わせて解説していきます。

天然皮革(本革)

まずは皮と革の違いについてですが、
皮は、動物の体からはいだ状態を指し、それをなめして加工したものを革と呼びます。
皮はスキン または ハイド。革はレザーと区別されます。
(ここではスムースレザーのことを指します)

この革と言っても本当にたくさんの種類がございます。

牛革(カウレザー)

昔から使用されることが最も多いのが牛革。
牛革と言っても、年齢、性別によって、品質が全く異なります。

  • ステア 3ヶ月~6ヶ月に去勢した2歳以上の雄の皮。
    最も一般的で、品質が安定しており、ほとんどがこの皮を使っています。
  • カウ 生後2年以上の雌の皮。
    ステアと比較して、薄く、キメが細かいのが特徴。ステアに続き利用頻度が高い。。
  • キップ 生後6ヶ月~2歳までの皮。
    肉厚で丈夫。更にはキメが細かく滑らかであるため、需要がこの近年最も高まってきている皮となります。
  • カーフ 生後半年以内の仔牛の皮。
    最も緻密で繊細、キメ細かく、薄い皮。牛皮の中でも最も高級品とされております。
馬革(高級なコードバンもこれ)

お尻部分は、繊維が緻密で光沢感もあり、コードバンと呼ばれています。

その他、本革にはこんな革があります。

豚革(ピッグスキン) 裏革として使われる他、ベロアの甲革としても使用される。
羊革 きめ細かく、ソフト。子羊の川をラムスキンと言う。
山羊革 やや硬め。仔山羊の皮は薄くキメが細かいく、キッドと言う。

ケアの方法

ここでは牛革の一般的なケアについて、ご紹介させていただきます。

1. ホコリを馬毛ブラシでとる

毛足の長い馬毛は、コバの隙間、シワの間の汚れやほこりを取り除くことができます。
お勧めの馬毛ブラシはこちら:サフィール

2. リムーバーで古いクリームを除去

リムーバーで古いクリームを除去。
普段ケアをされている方は、汚れ落とし&栄養補強できるローションでも可
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汚れも落とせて、栄養も入れられるのはこちら:サフィール

3. クリームを全体にしっかりと浸透

クリームは手または、ブラシでしっかりと浸透させる。指は汚れるが指の体温により、クリームが溶け浸透しやすくなる。ブラシの場合は、摩擦熱で浸透を手助けし、かつ指では届かない隙間にクリームを浸透させる。
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4. 豚毛ブラシでクリームをしっかりと馴染ませる

硬めの豚毛ブラシで、クリームを全体に馴染ませる。余分なクリームを除去する役割と摩擦熱で、クリームを奥深くまで浸透させる効果あり。
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5. ポリッシュグローブに少量の水を付けると艶が出る

クリームにロウが入っていることで、磨くと艶が出ます。キメの細かいハイシャイングローブに水を少量付けて、滑らすように磨いてあげるだけ光沢感が出ます。
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人工皮革(合皮)

合成皮革、合皮などという言葉で聞いたことがあるかと思います。
これはつまり革風ということです。
リーズナブルであり、雨や傷に滅法強いのがこちらの合皮。
クリームなどを塗布しても革ではないので、浸透しないので、意味はありません。
ただ、革と違って馴染むということはまずないですし、通気性もあまりよくありません。
また長く使っていくと、ひび割れが起こるので、長く愛用していくという素材ではございません。

スウェード

さてお次に紹介するのがスウェード。
おそらく大体の方が聞いたことがあると思います。しかし説明しろと言われれば、なかなか難しいものです。
スウェードとは、簡単に言えば、革の内側を起毛させているモノです。
ここで、良く間違えられる、
スウェード、ヌバック、ベロアの違いを簡単にご説明してまいります。

  • スウェード…仔羊や仔牛の皮の裏面を起毛させたもの
  • ヌバック…スウェードとは逆で、表面を起毛させたもの
  • ベロア…スウェードと製法は同じで毛足の長いもの

スウェードはその起毛感あるルックスから秋冬のイメージが強いですが、最近では毛足の短いものを中心にシーズン関係なく、愛用されることが多く、スムースレザーとは違った上品さを演出できることから各有名ブランドから取り上げられることが多いです。
また、スウェードは雨に弱いなんてデマがございますが、スウェードはその逆で雨に強い素材です。
その起毛した繊維が雨粒をはじき、内側に浸透させないのです。ちょっとした雨にはスウェードはおすすめですよ。
ここ結構な方が怠りがちなスウェードのケア方法を見ていきましょう。

1. ブラッシングによりホコリを取り除く

毛並みに逆らうように汚れやほこりを掻き出す。
その際に、寝てしまった毛を立たせ、毛並みを整えながら行うのがポイント。

2. 汚れ落とし

部分的な汚れ落としには、ラバークリーナーでOK。
全体的な汚れ落としにはオムニローションなどで、洗い流してください。

3. スウェード用の補色効果&栄養効果の高いスプレー

汚れを落としたら、補色、栄養を入れていきます。撥水効果もあるので、必ずこちらの行程は行うようにしてください。

4. ブラッシングで毛並みを整える

最後はブラッシングで毛並みを整えれば完成。

スウェードもケアをしにくいという方がいらっしゃいますが、やり方さえ理解してしまえば、そんなに難しいものではございません。
お気に入りの一足もケア方法を知っているか知っていないかだけで、持ちが全然違ってきますよ。

革靴のデザインにはどんな種類があるか?

まずは最も基本的なところでいうと、内羽根式、外羽根式という二つがあります。
なんじゃそりゃ?!と思う方も多くいらっしゃるかと思いますが、このディティールでカジュアルかフォーマルかが決まってしまうので、革靴選びの際の参考にしてくださいませ。

まずは「内羽根式」について

注目していただく部分は、紐を通すシューレースホール部分。
ここが甲の部分の革と1つになっているのが分かりますでしょうか。
こちらのデザインが、凹凸がなく、シンプルな印象を与えることから、「フォーマル」向けのデザインとなります。
ビジネスシューズ、黒のストレートチップにすると冠婚葬祭など適しています。
ルーツとしては、貴族の靴として作らせたのがスタートとなっております。

お次は「外羽根式」

内羽式と比べていただければ、一目瞭然かと思いますが、シューレース部分の革と甲の部分の革が別々になっております。羽のようになっている部分が外に出ていることから、この名前となります。
凹凸もあり、デザイン性もあることから、こちらは基本的には「カジュアル」向けのデザインと言えるでしょう。
ルーツとしては、軍靴ということもあり、内羽根式とは全く異なる背景を持っております。

さて、こちらで基本知識を理解していただけたかと思いますが、ここからは、靴のデザインンをご紹介していこうと思います。
先程の外羽根式、内羽根式にプラスして、デザインの違いで印象や使うシーンが全く異なってくるのです。

1. プレーントゥ

最もオーソドックスで親しみのあるデザインではないでしょうか。内羽根、外羽根どちらのデザインのものもあり、カジュアル、ビジネス、冠婚葬祭などどのシーンにおいて万能にご愛用いただけます。

カジュアル ★★★
ビジネス ★★★★★
冠婚葬祭 ★★★

2. ストレートチップ

その名の通り、ストレートに切り替えしの線が入っているタイプ。
ドレスシューズの基本形として、どの靴ブランドもこのデザインのモノを手掛けることかと思います。最もフォーマル。

カジュアル
ビジネス ★★★
冠婚葬祭 ★★★★★

3. ウィングチップ

トゥ(つま先)部分に、Wの切り替えしが付いたタイプ。
クラシカルなイメージの強いこちらの靴。伝統を重んじるイギリスのシューズブランドに多いデザインで、スーツのダブルブレスト、スリーピーススーツやカジュアルシーンにクラシカルな雰囲気を演出したい場合におすすめです。

カジュアル ★★★
ビジネス ★★★★
冠婚葬祭

4. シングルモンクストラップ

修道士が履いていた靴をルーツとするモンクストラップ。
紐はなく、金具とベルトをサイドで止める形でサイズを調整します。
やはり紐靴がフォーマルであることには変わりはないのですが、紐靴ではない靴で唯一ビジネスでも違和感なく履いていただける靴であるかと思います。
馴染んでくるとベルトを取らずに脱ぎ履きできますが、基本的には、靴を大切に履いてもらうためにもベルトを外しての脱ぎ履きをおすすめします。
冠婚葬祭も使うことはできますが、金具部分がどうしても目立ってしまうためにここではおすすめしません。

カジュアル ★★★★
ビジネス ★★★
冠婚葬祭

5. ダブルモンクストラップ

先程のシングルストラップのストラップが二つになったタイプです。シングルより華やかな印象になるかと思います。脱ぎ履きの際は基本的には、ベルトは一つだけ外して対応できるかと思います。
ルーツとしては、イギリスの「ジョンロブ」が作ったカジュアルシューズとなっております。
ジーンズをエレガントにしてくれる一足ですが、スーツにも合わせられる一足です。

カジュアル ★★★★★
ビジネス ★★★
冠婚葬祭

6. ホールカット

職人の技術が光るホールカットシューズ。
一枚革でできており、つなぎ目はかかとのみ。装飾がなく、革の良さだけで語るドレッシーな一足です。もろに技術力の高さ、素材の良さがでるので、ブランドをしっかりと見極めて選ぶことをおすすめします。

カジュアル ★★★
ビジネス ★★★★★
冠婚葬祭 ★★★

7. メダリオン

パンチングで柄をデザインするメダリオン。
ウィングチップとコンビで、よくデザインされることが多いメダリオン。
元はスコットランドが発祥で、靴内の湿った空気を逃がす目的があります。
ウィングチップに合わせて、少し派手さがプラスされますので、スーツスタイルの時は場合によっては控えたほうがいい場合もあるかもしれません。

カジュアル ★★★★
ビジネス ★★★
冠婚葬祭

8. サイドゴアブーツ

名前の通りサイドに伸縮性のあるゴム素材をプラスすることで、脱ぎ履きがしやすく、かつフィット感も持ち合わせたブーツ。軍靴をルーツにもつ、ブーツが多い中、これは世にも珍しいフォーマル靴を起源にもつ一足。その為、スーツに履いてもおかしくないブーツとなっております。

カジュアル ★★★★
ビジネス ★★★★
冠婚葬祭

9. ローファー

過去は、学生はローファーを履くという習慣があり、その名残でスーツスタイルにもローファーを履くという方もいらっしゃるかと思いますが、基本的にはNGです。やはりビジネスシーンは紐靴が無難ですね。
もしビジネスにという場合は、ジャケパンスタイルに合わせてあげるといいかと思います。

カジュアル ★★★★
ビジネス ★★
冠婚葬祭
このデザインに加えて、色や素材の組み合わせなどで、印象はかなり変わってきます。
TPOに合わせたものを最低限のマナーとして選んでいただき、個性を発揮してもらえればと思います。

後編へ続く

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